毎年、MRAに関する問題が高頻度で出題されます。本記事ではPC-MRAに関して、問題をまじえてまとめて解説していきたいと思います。(問題はJMRTS 認定試験過去問より引用)
PC-MRAとは?
PC法は双極傾斜磁場による位相シフトを利用します。特定の流速を強調する事ができます。
第19回 問題20
PC法について正しいのはどれか。2つ選べ。
- VENCの単位はcm2/sである.
- PC-MRAでは流入効果を利用している.
- 流速の測定精度は測定断面に依存する.
- VENCの設定が高いほど高い双極傾斜磁場強度を必要とする.
- 撮像対象血管の流速がVENCを超えると速度折り返し現象がおこる.
解説
cm2/s→ cm/s流入効果→ 位相シフト(∆∅)- 正しい
- VENC(ν)の設定が
高い低い ほど、高い双極傾斜磁場強度(Gx)を必要とする.
∆∅ = γGx νΤ2 ∴ ν = (Δ∅) / (γGx Τ2 )
→ VENC(ν)は傾斜磁場強度(Gx), 時間(T2)に反比例する . - 正しい
第15回 問題26
MRA(magnetic resonance angiography)に関する正しい記述はどれか. 2つ選べ.
- 造影MRのTEはopposed phaseが望ましい.
- TOF(time of flight)法はT1値の長い組織が高信号になる.
- FBI(fresh blood imaging)法は収縮期と拡張期の信号強度差を利用する.
- TONE(tilted optimized non-saturating excitation)法は流入側から流出側に向かってFAを小さくする.
- PC(phase contrast)法はVENC(velocity encoding)を超える流速を遅い流速として表現してしまうことがある.
解説
opposed phase→ ex. 最短TE + CHESS
造影+opposed phaseはparadoxical suppressionが起こる可能性がある長い→ 短い- 正しい 拡張期ー収縮期
小さく→ 大きく (TONE)- 正しい 速度エイリアシング
第9回 問題10
位相コントラストMRA撮像方法について正しい文章を選択してください. (正解3つ)
- 「VENC」の単位はcm/sec である.
- 「VENC」はそのシーケンスで正しくエンコードされる最小速度である.
- 血液が傾斜磁場に沿って移動した場合の縦磁化の位相変化を検出している.
- 移動したスピンだけが信号を出すのでTOF画像で見られるようなT1値の短い血液崩壊産物の描出という問題はない.
- 位相コントラストシーケンスでは二極性の傾斜磁場を付加して血流速度とMR信号の位相の間に線形関係が形成されるようにしている.
解説
- 正しい
最小速度→ 最大流速の4/3倍に設定する縦磁化→ 横磁化- 正しい
- 正しい
第17回 問題11
Phase contrast(PC)法について正しいものを選べ.
- MR venography として利用しない.
- MRAを撮像する場合にはGd造影剤を投与しても描出能は変わらない.
- 速度エンコードを過大に設定すると速度の折り返しアーチファクトが発生する.
- Bipolar gradient の正負を入れ替え, 2回撮像する事で磁場の不均一に伴うバイアスを除去する方法がある.
- 3方向の速度を測定する場合(x, y, z), 計6回の撮像が必要となるがHadamard encoding schemeを使用すると撮像回数を3回に減らすことが出来る.
解説
利用しない→ 利用する変わらない→ 3D-GREベースであり血液のT1値短縮が影響する過大→ 過小 速度エイリアシング- 正しい Hadamard encoding scheme
3回→ 4回


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